鉄砲を捨てた日本人―日本史に学ぶ軍縮 (中公文庫) epubダウンロード無料

鉄砲を捨てた日本人―日本史に学ぶ軍縮 (中公文庫)

によって ノエル ペリン


4.5 5つ星のうち(13人の読者)

鉄砲を捨てた日本人―日本史に学ぶ軍縮 (中公文庫) epubダウンロード無料 - 内容(「BOOK」データベースより) 16世紀後半の日本は、非西欧圏で唯一、鉄砲の大量生産にもまさる鉄砲使用国となった。にも拘らず江戸時代を通じて日本人は鉄砲を捨てて刀剣の世界に舞い戻った。武器の歴史において起るべからざることが起ったのである。同時代の西欧では鉄砲の使用・拡大によって戦争に明け暮れていたことを考えると、この日本の〈奇跡〉が示唆するところは大きい。

鉄砲を捨てた日本人―日本史に学ぶ軍縮 (中公文庫)の詳細

本のタイトル : 鉄砲を捨てた日本人―日本史に学ぶ軍縮 (中公文庫)
作者 : ノエル ペリン
ISBN-10 : 4122018005
発売日 : 1991/4/1
カテゴリ : 本
ファイルサイズ : 24.94 (現在のサーバー速度は22.89 Mbpsです
以下は 鉄砲を捨てた日本人―日本史に学ぶ軍縮 (中公文庫) の最も正直なレビューです。 この本を読んだり購入したりする場合は、これを検討してください。
筆者の意図は、「日本でこれほどの大規模な軍備廃棄が達成できたのだから、核軍縮は可能である」と主張することにあると思うが、その主張を充分に裏付けるような構成にはなっていない。むしろ、鉄砲が日本への伝来後瞬く間に全国に急速に普及し、世界でも有数の軍事大国になった戦国時代日本の、欧州諸国に負けない高い技術力、識字率、文化水準の解説に比重が置かれている。最近は、昔ほど日本が西洋に比較して遅れていたとする論調を目にすることはなくなったので、一般の日本人にはここで描写されている日本の姿はそれほど大きな違和感はないであろうが、日本を含めアジアを西洋に劣ると思っている欧米の人にとっては、かなりの驚きを感じる内容だろう。著者の本来の目的である日本が非武装化した経緯については、その理由を五つ挙げている。①武士階級(1%未満の欧州と違い、人口比で10%弱)の存在基盤が脅かされる。②日本は、隣国の明を責めるには小さすぎ、他国が攻めるには強すぎたため、全国統一が果たされた後の対外防衛において高度な武器は必要無かった。③刀剣が武士の魂の象徴であったこと。④外来の鉄砲がキリスト教など西洋的思想と一緒に排外主義の対照となった。⑤立ち居振る舞いを重視する武家社会においては、銃を使うときの振る舞いは刀剣のような美しさがない。これが、本書の主眼である現代の軍縮に参考になるかというと、③から⑤は日本の特殊性に依拠する要因で現代の参考にはならない。①は日本社会の特殊性を考える上でとても興味深い理由でもう少し深掘りした議論が欲しいところだが、いずれにしても日本の特殊要因。これらに、②の日本の地政学的特色を合わせると、「鉄砲を捨てたのは日本の特殊性があったから」となってしまい、現代の世界の軍縮への参考にはならないのではないか?ただ、それはそれとして、戦国時代の日本社会、特に伝来した火縄銃を瞬く間に進化させてしまう(雨の日でも使えるようにする、火縄の火の明かりを隠して夜戦でも使えるようにする、などの改良)日本の技術力が丹念に描写されており非常に興味深い。また、訳がとてもすばらしく、原文が英語とはとても思えない文章になっている。資料の紹介と訳者の注釈も充実しており、資料としても貴重である。

0コメント

  • 1000 / 1000