ドキュメント 神風〈下〉 (徳間文庫)本無料ダウンロードpdf

ドキュメント 神風〈下〉 (徳間文庫)

によって デニス ウォーナー


4.8 5つ星のうち(2人の読者)

ドキュメント 神風〈下〉 (徳間文庫)本無料ダウンロードpdf - 内容(「BOOK」データベースより) 日本軍の航空兵力が激減するなか、特攻は繰り返された。米軍の沖縄包囲は狭まり、B29による各地への空襲も頻度を高めた。だが特攻作戦当初のある種の熱気が、少しずつ薄らいでいったのも隠せない事実であった。「作戦」と名づけるには余りに無謀な、そして無惨な選択ではなかったか?戦後四十余年、日米双方の稠密な資料と取材で、特攻の足跡を辿り、その実態を浮き彫りにしたドキュメント巨篇完結篇。

ドキュメント 神風〈下〉 (徳間文庫)の詳細

本のタイトル : ドキュメント 神風〈下〉 (徳間文庫)
作者 : デニス ウォーナー
ISBN-10 : 419598856X
発売日 : 1989/8/15
カテゴリ : 本
ファイルサイズ : 22.94 (現在のサーバー速度は29.73 Mbpsです
以下は ドキュメント 神風〈下〉 (徳間文庫) の最も正直なレビューです。 この本を読んだり購入したりする場合は、これを検討してください。
本書はオーストラリア人の著者が膨大な資料を調査し、また日米の当事者にインタビューしながらまとめあげた、”攻撃される側から見た特攻の実態”である。下巻では、沖縄戦での戦闘の様子が描かれている。米軍の戦艦の乗組員が艦上から仰ぎ見て、特攻機が次々と舞い降りては艦を破壊する様が、臨場感あふれる筆致で描き出されていく。読者もまるで自分が攻撃を受けているような戦慄に見舞われる。通常の戦闘では、対空火器で砲撃を加えれば、命を惜しむパイロットは被弾を避けるために遠ざかっていく。しかし、特攻機はすでに死を覚悟しているのだから、対空砲火をものともせず、突っ込んでくる。迎撃する側は、艦が損傷を受けずにすむ距離で特攻機を撃墜しない限り、攻撃から逃れることはできない。艦上まで接近してきた特攻機を効果的に撃退する方法はない。特攻機の攻撃を受けて沈没した駆逐艦「リユース」の乗組士官は、次のように報告している。「この戦闘は、断固たる決意を秘めた自殺機の攻撃を阻止することが事実上不可能なことを示している。」たった数機の特攻機が戦艦を撃沈させ、数十~数百人もの死傷者を出すことも多かった。特攻機がいかに破壊的な兵器であるか、その威力が余すところなく、これでもかというほど描かれている。従来、日本では「特攻は戦果が乏しく犠牲ばかりが大きかった愚かな作戦」との評価が定説となってきたが、実態はまるで違っていたことがわかる。特攻がいかに大きな戦果を挙げていたか、どれだけ米軍を恐れさせていたかが、生々しく描写されている。上下巻を通じて、自殺攻撃をする日本人のメンタリティについて様々な考察が加えられている。核心に迫る結論が出るかと期待していたが、最終的な結論は、「日本人は非人間的な狂信者」という、よくありがちなもの。また、最終章に至るまで、著者は中立の立場だと思いながら読んできたが、最終的には、「自殺攻撃は悪」「日本軍は悪」と一方的に断罪する結論で終わってしまったのは残念だった。戦争には様々な要因が複雑に絡み合ってくるので、一方が善、一方が悪という単純な構図で割り切れるものではないと思うのだが、著者の考察は案外浅く、平凡な見解に留まって終わった。オーストラリア人による著作だと思って読んでいたが、あとがきを見たら、純粋に翻訳者だと思っていた妹尾左太男氏も著述に加わっていることがわかった。結論部分もこの人が書いたのかもしれない。戦後の占領期における言論統制(メディアの検閲など)によって、「日本軍悪し」という宣伝が盛んになされ刷り込まれた結果、日本軍を悪しざまにいうのは、日本人に多いという事実がある。上下巻を通じての総評:上巻・後半のフィリピン戦、下巻・前半の沖縄戦での航空特攻の描写が秀逸。次々攻撃してくる特攻機の恐ろしさに、ただただ圧倒される。他の部分はテンポもよくないし、著者の視点もはっきりせず、説明もごちゃごちゃして、読みづらかった。日豪共作のせいかもしれない。執筆の分担が明らかにされていないので、共著者がそれぞれどの部分を書いたのかがわからず、その主張もつかみにくい。そのような点があるにもかかわらず、本書は全般的に見て、他の本では知ることのできない特攻の実態がよくわかる秀作である。多くの人々が本書を読んで、特攻に対する認識を改めてくれることを望む。

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