水は知的生命体である

水は知的生命体であるの詳細

先日本屋で暇つぶしをしていたところ、ふとこの本のタイトルが目に飛び込んできた。水は昔からの関心事でもあり、かつ趣味の写真のテーマでもあったので、つい衝動買いをして珍しく一気に読んでしまった。水自体が生き物かどうかはともかくとして、あらゆる生命体が水から生まれたのは紛れも無い事実であるから、この本の内容には深く納得させられた。若いころ、三陸の静かな入り江で素もぐりをしたところ、岩肌にへばり付くように名も知らない貝や植物が密集している情景が目に入り、それらの生命の逞しさにいたく感動したものだった。海面から顔を出して波間を漂っているとなんと水との一体感が生まれることか…やはり私の先祖は水から生まれたのだ。山奥のブナ林の中を流れる渓流のほとりでその流れを眺めることがある。その流れは時間の流れを連想させる。確かに戻りようのない無限の時間が目の前を過ぎてゆく。海の素もぐりはもう歳で無理なので、春になった森の渓流を訪ねようと思う。